デスゲーム
優菜の声が響き渡る。自分で身体を動かせない。力が…入らない。


「栞!?ねぇ栞!!しっかりして!」


優菜は慌てて駆けつけてきてくれて、私の肩にそっと触れた。

泣いて…くれてるの?私…あなたを殺そうとしたんだよ?


「おじさん、これで救急車呼んで。早く!

栞?私の声聞こえてる?聞こえてたら右手人差し指を曲げて」


トラックの運転手に携帯を投げ渡すと、また私に視線を戻した。

聞こえてるよ。そっと人差し指で優菜の指先を握る。


「優…菜ぁ…。ごめん、ね。私…」

「喋っちゃダメ。後でうんと聞いてあげるから。…それまで……我慢しよ…ね?」


涙が…私の頬にどんどん落ちては滑ってゆく。優菜……言葉がもう…聞こえづらいよ。

視界は歪み、少しでも気を抜くと意識を失いそうだ。


「優菜ぁ……私も…大切に…愛し……てる」


とうとう優菜の声が聞こえなくなった。必死になって何か言ってるのに。

もう…限界ね。突如目の前が真っ暗になり、私の意識は途絶えた。
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