デスゲーム
雫は胸に刺さったナイフを抜き
俺の胸に突き刺した。
「え…しず…」
「私も隼人君が好きだよ。ねえ、私が死ぬときは…隼人君の死ぬとき。
最高の愛情だと思わない?」
俺が崩れ落ちた時、二人の幻は静かに消えた。息が辛い。でも不思議と痛くない。
死ぬときって…こうなのかな。
………
暗闇。いるのはたった一人。もがいてももがいても抜け出せない世界。
倒れてから…目を開くのも悲痛に感じるようになった。
「ずっと…ここにいよう?楽になろう?」
声…小春 栞のものだった。栞は動けない俺の側に歩み寄り、しゃがんで目線を合わせてきた。
「あなたは十分がんばった。楽になろうよ。誰も何も言わないよ」
そうか。今楽になれば…全て終わる。もうあがく必要もないし…何も考えなくてもいい。
「私がいてあげる。ずっと側に…ね」
栞が……俺に覆い被さってきた。