デスゲーム
「いけない!!」


いきなりバチっと栞が弾かれ、後方へと吹き飛んだ。

おそらくその理由は、俺と栞の間に現れた球状の…光の集合体がもたらしたものだった。


「あなたはここで終わらない。待ってくれてる人がいるんでしょ!?」


光の球から声が発せられている。そうだ、雫は…別れるとき泣いてたな。


「この光を掴んで…早く!!」

「くっ…らあっ」


訳が分からない。ああもう、どうにでもなれ。ここで…終わるわけにはいかねえんだ!

光を掴むと、暗闇の世界が切り払われた。元の館に帰ってこれた。


「はあ…はあ…。傷…なくなってる」


ナイフで刺された傷は綺麗になくなってる。そうか…今までのは幻だったんだよな。


「…ッ!?あんたは」


立ち上がり周りを見渡すと、ある人が目に入った。


オーナーと対峙し、死んだはずのその人は……





如月 優菜…。
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