デスゲーム
「…栞、むかえにきたよ。側にいるって約束したから。ずっと一緒にいたいから。

て…今更だよね。もう待ってなんかいないよね。ごめん」

「優…菜。たす…け…」


え!?今の…オーナーが言ったのか?まだ栞の心は失われていないのか?

その直後、レインが人差し指をオーナーの頭に乗せ、表情がうって変わった。


「優菜。また死ににきたの?私の心を…受け止められなかったくせに。

私を破滅の道に追いやったくせに!」

「違う!私は栞と話してるの。記憶見て何もかも理解したし、さっきのこと…」

「優菜さん!!」


感づいた。ここでレインに邪魔されると厄介だ。無駄な言葉は避けたい。

栞の心はまだ残ってる。過去の記憶では最後にレインに操られてた。今もその可能性はある。

考えがある、そう優菜さんに目で合図を送り鎖をギュッと握る。


「オーナー、もう一度俺を苦しめてみろよ。あんたの闇に誘ってみろよ。絶対に這い出してやるからよ」


この鎖は、いわば繋がれた者の心に踏み入れる事ができるもの。

今度は逆に利用してやる。
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