デスゲーム
「いいでしょう。もう邪魔もいない。今度こそあなたは死ぬわ」
オーナーの心の中に。そう強く念じるんだ。目を閉じると、指をならす音が聞こえた。
………
次に目を開けると、真っ暗闇の世界が広がっていた。
「ここがあいつの心。…ッ!?、早くしねえとヤバイな」
暗闇から影のような黒い手が伸びてきて腕や足を掴んでくる。
乱暴に振り払うと難なく離れた。速度は遅いから走れば掴まれる心配はないようだ。
「どこだ…どこにいる。栞!いるんだろ!?…小春栞!!」
360度真っ暗か。くそっ、どこに行けばいい?
「栞!俺はお前を信じる。絶対に裏切らねえ。だからほんの少しでいい。
もしあんたが少しでも俺を信じるなら…導いてほしい」
何も返事はない。ダメか、レインに全てを奪われちまったのかよ!?
それとも…ここにはいないのか?
「お前は一人じゃねえ!優菜さんも来てくれた。俺も…二人ともお前の味方だ!!
栞!俺がここから…闇から出してやるから。お前がそんなんじゃまた優菜さんは悲しむぞ!?
それでもいいのか!」