デスゲーム
怯えるようにかすれた声。その容姿は、気に止めない方が難しい。

座ったままの後ろ姿だから顔は見えない。だが泣いてる感じがする。


「どうして…。そうやって心を閉ざしててお前はいいのか!?」

「…ぃいよ。…みんなに酷い事したから……取り返しのつかない…酷い事。

もう現実なんてみたくない。私のせいで…みんなみんな私の…」


『デスゲーム』のことか。これに関しては栞の確信がほしい。


「質問いいか?あんたはレインに操られてる。『デスゲーム』も無理矢理やらされた。合ってるか?」

「当たり前だよ!!もう私の意思で体は言うことを聞かない。

レインが私を利用して悪さするのをただただ心から見てるだけ。

どうにもならないの…。希望なんてないのよ」


レイン…どこまで最悪なんだよ。人の心に入り込み、蝕み、破壊するなんて。

怒りが込み上げるのが分かる。俺はゆっくり、再び栞の方へ歩き出した。
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