デスゲーム
「ッ!?来ないでって……言ってるでしょ!?もう全て手遅れなのよ!!」




ズガガガッ!!





針がまた飛んできて、俺の腕や足に軽い切傷を生む。大量のそれは足元にも突き刺さった。


「俺を殺すなら殺してみろよ!!……不可能だろ、お前には。救ってやるからそこで待ってろ」

「嘘だ!私はあなたにも……私は沙弥っていう人を殺したのよ!?

私を殺すんでしょ?そうやって騙して仇を討つつもりでしょ?」





ズガガッ!




ピッ!ピピッ!大量の針は速く鋭く飛んでくる。だが避ける動作はしない。したくない。

たとえこの身が切り裂かれようが、栞の心だけはここから出してやる。


「沙弥は死んだよ。でもあんたじゃねえ、殺したのはレインだ。

栞、お前は一度でも誰かを殺そうと思ったか?…一度でも誰かを裏切ったか?

…一度でも…誰かを傷つけようと思ったのかよ?ちげえだろ」


フッと針が止んだ。相変わらず栞は微動だにしないまま。

レインに操られてる自分じゃない。本当の自分を思い出してくれ。
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