デスゲーム
―祈り―
「…ッ…はぁ…はぁ」
館に帰ってこれた。気分が少し悪いだけで問題はないな。
オーナーを見ると服がだらけているせいか、今までより小さく見えた。
「清水君?…はあ良かった。無茶しないでよ」
「優菜さん、俺の事はいい。それより…栞も一緒に帰ってきたから」
パリンッ!!
突如手錠が、鎖が粉々に砕け散った。役目を終えたからか?
優菜さんは栞を見据え、瞳をジッと見つめた。そして…微笑むと同時に両手を広げた。
「栞、おかえり。やっと…やっと会えたね。おいで」
「優菜…ごめん私……、あなたも怒ってないの?」
「うん。あなたが栞。小春 栞。私の一番の親友…でしょ」
栞の瞳から涙が溢れ出す。長い年月を越えてやっと出会えた。
偽りの別れから…やっと。絆は色あせることなくここにある。
一歩…また一歩。最後は駆け足になって……
栞は優菜さんの胸に飛び込んだ。静かに泣く栞を包むようにして、二人は親子のように抱き合った。