デスゲーム
やっぱ死ぬつもりなのか。せっかく会えたのに…栞の未来はこれからだろ。

なのに自分から断ち切るなよ!


「他に方法があるはずだ!だからそんな事す…」

「ありがとう!!……私…二人に出会えて良かった。

私は…幸せだよ?」


泣いてるのに幸せなんておかしいだろ。幸せなら…笑顔は未来に約束されてるのに。

栞は泣きながら微笑んだ後、俺達に背を向けた。

何もできない。叩いても蹴っても割れない透明な壁。俺はまた無力なのか。


「ねえ栞!お願いだから……私の側から離れないで。ずっと一緒にいようよ!!」


…雫が頭に浮かんだ。この光景、雫が俺に言ったのと同じ言葉。


「ごめんね優菜。またあなたを泣かせてる。でもね、最後に言わせて。

私は…愛されてた。優菜、ずーっと側にいてくれて……こんな私を…愛してくれて…


ありがとう」







…ドフッ!!!









銃声が部屋いっぱいに響き渡った。同時に透明な壁は消え……


栞は胸から血を流し、崩れ落ちた。
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