デスゲーム
くら…
「はぁ…はぁ…脱出成功かな。…清水君!?」
館から離れた所に栞をそっと下ろすと、俺も隣に倒れてしまった。
下は芝生で柔らかい。だが気分が悪く意識も遠のいてきた。
「清水君ッ、どうしたの?」
まだ…まだだ。慌てて優菜さんが近づいてきたので身体を起こした。
「ッ…館は?」
「見ての通り全壊。それより大丈夫なの?しっかりして」
館はガレキの山となっていた。廃虚ではなく、館を作っていたものの山。
ピキ…ピキ…ピキン
左手…『デスゲーム』の指輪が粉々に砕け散った。ようやく解放された。
やっと…やっと終わった。生きて元の日常に帰ってこれたんだ。
「雫…また…会え」
本当に意識が遠のいてきた。限界だ。優菜さんが涙目で何か言ってるけど聞き取れない。
ゆっくり…目を閉じた。