デスゲーム


………

マンションから歩いて美崎が丘に着くと、覚えのある人物が階段の下にいた。


「よっ、元気してたか」

「わっ、誰よ!びっくりさせ……へ?生き…てる?」


一人でたたずんでいたのは早川 咲だった。幽霊でも見るかのように驚いたが、すぐに近づいてきて俺の身体を触りだした。


「何、何だよ。ほら、ちゃんと足ついてるし触れるだろ?」

「本物ね。生きて…」

「生きてるから。勝手に殺すな。だから少し離れろ、な」


顔が近い。早川は目が合った瞬間、ババッと離れて腕を組んだ。

俺から身体を横にして、横目でチラチラ見てくる。なんだか顔も赤いな。


「終わったの?『デスゲーム』」

「ああ。ほら、指輪ねえだろ。それよりどうして早川がここに?」


早川はため息と同時に腕を解き、俺の横まで歩いた。


「私の事よりお姫様の事考えてよ。あの子、いつでもずっとここに来てるわ。

だから白樺にいる私に、橘から面倒見てってお願いされたわけ」
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