デスゲーム
いつでもって…、性格は十分承知してる。自分のしたい事は最後まで貫いて。

それで人の言うこと聞かないけど、正直で、なぜか許せて。


「本当にずっとここであなたを待ってたの。食べ物も満足に食べないし、私の家よりここで過ごす時間の方が長いし。

睡眠時間も削って、夜に来ることだってざらにあった。見てて…辛かった」


誰が止めただろう。もし俺が来なかったら誰が…。

いや、今はそんな事考えるのはよそう。そんなの…答えは出てる。


「魂が…抜けたみたいに…この世の終わりみたいな顔だったの。

早く行ってあげて」

「ああ、色々ありがとな。行って会ってくる」


早川の肩をポンと叩いて通り過ぎる。長い階段。この先に俺の一番大切な人がいる。

一段ずつ、俺は登り始めた。


「もうすぐだから。待たせてごめん。あんな別れ方してごめん」


帰ってこれたから。もう二度とあんな想いはさせないから。

だから逢いたい。許してくれなくてもいい。

俺にとってかけがえのない大切な人だから……雫。
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