デスゲーム
頂上までもう少しの所で話し声が聞こえてきた。


「柊ちゃん……もうよそう。3日も経って帰って来ないってことは…」

「来ます。無事に私の元に帰って来るって…約束しましたから」


俺の了承もなく勝手に結んだ約束。俺も雫もあの時は自分の言いたい事ばかり言ってた。


「雫…気持ちは分かるけど……現に清水君はいないし連絡だって…ね、体に障る前に…」

「来ます。隼人君約束は守りますから。だからあの人が来るまで私は動きません」


九条と橘の声が聞こえる。俺の大切な人を説得しようとしてる。

でも全然聞き入れてない。頑固で、かたくなに、何を言われても意志を変えようとしていない。


「二人とも、私の側にいなくてもいいです。…ううん、いるべきじゃありません。

私のせいで生活のリズムが乱れてますから。私を一人にして…帰ってください」


自分の意志は何をしようが変わらない。絶対に変えない。

それで反論があるならもう関わるな。そう感じとれる。
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