デスゲーム
駅から歩き、着いた先は墓地だった。目的地のそこは、春のいい風が流れていた。


「隼人君、これですね」

「ああ、黒崎はこれって言ってた。字も間違いない」


小春家之墓。そう刻まれた墓石に目を閉じて手を合わせる。

栞のお墓。雫から栞の事を聞かれ話した結果、雫は「栞は悪くない」と言ってくれた。

だから二人で来たんだ。あと、雫以外の人には話していない。聞かれないし、俺も言うべき人にしか言わないから。


「……行きましょうか」


自分を責めるなと雫にも言われた。責めるなら私にも矛先を向けろと言われた。

雫のおかげで…俺はまた笑顔になれた。もう迷わない。答えはでたから。

それは…今を生きること。栞の事は必ず忘れない。それで…未来を信じる事にした。


「ん、お前らも来てたのか」


帰ろうとした時に、黒崎と優菜さん、それに花梨さんと一緒になった。

優菜さんはもう栞の後を追うということは一切頭にない。

今は黒崎が支えになって、二人で仲良く同棲してる。だから俺はもう、黒崎の部屋に行くのは皆無となった。
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