デスゲーム
「じゅ、順番に説明するから落ち着け。一気に説明できそうにない」

「はあ、分かった」


ベンチに座り、今まで起こった事を順を追って説明していく。子猫は途中で桜井に取り上げられた。


「……ということだ」

「ふ~ん、仕方ないわね。びしょ濡れの所、あながち嘘ではないようだし」

「だから本当だって。でなかったら猫なんて連れて来ないっての」

「そう。いいわ、許してあげる。

…ねえねえ、この子猫の名前ってあるの?」


桜井の目が輝いた…。子猫は桜井の膝が気に入ったらしく、スヤスヤ眠っている。


「名前なんてまだねえよ。その場凌ぎで、後で放置しようとしてたから」

「ひっどーい、それでもこの子の命の恩人?」


ぐいっと視線を合わせてきた。ドキッとしてしまって反応が遅れた。


「う~ん、そうねえ。じゃ、この子の名前は白玉ね」

「お、引き取ってくれるのか?」

「そんな訳ないじゃない。私は飼いたいけど親がダメね。今まで何回交渉してきたか」


淡い期待だったが一刀両断か。結局こうなって、俺に回ってくるんだよ。
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