デスゲーム
こんな事になるんだったら少女に無理矢理にでも預けてくるんだった。


「もう、ランチが台無しね。あなた家まで何分?」


白玉を撫でる姿が様になってるし。そんなに好きなら飼ってもいいのに。


「ここからだと20分だけど」

「あら?だったら私の家に来る?そんな服じゃ店に入れないでしょ。ここから10分だから近いよ」


マ、マジ?家へのお誘いとは想定外だ。それに俺の家まで帰る気力はもはやないし。


「あ、ありがたい。もう寒くて最悪なんだ。お言葉に甘えて失礼します」

「フフ、そんなにかしこまらなくてもいいよ。風邪ひいちゃうから、早くしなきゃね」


桜井が白玉を抱いて立ち上がると、俺も重い足を起動させた。


「あ、起こしちゃった。ごめんね白玉」

「白玉のこと、好きなのか?」

「…うん。白玉に限らずかわいい動物はぜーんぶ好きだよ。

でも白玉は私の理想像にビンゴしてるから大好きなんだ♪」


白玉がいて助かった。もしいなかったら機嫌とれてるか自信な……て白玉のせいで遅刻したんだっけ。
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