デスゲーム
「ところでさ、どうして名前白玉にしたの?」

「え?白い猫だから。猫はタマ。だから両方合わせて白玉。呼びやすくていいでしょ」

「まあな、俺のシャイニングウルフなんてどう?かっこいいだろ」

「……あなたに名前決めさせなくて良かったわ。白玉も嫌だよねー、そんな名前」

「ニャン」


う、双方から嫌悪の視線が。かっこよかったら何でもいいだろ、動物の名前なんて。


「ま、まあ白玉の方が気軽に呼べていいや。あ、そういやさっきの高校生って誰?面識ありげだったけど」

「あ、あの人は…」


桜井は俯き、話しにくそうに髪で顔を隠した。むしろ言うのをためらっているような気がする。


「すまん、話したくなかったら無理に話さなくても」

「ううん、あいつはただの友達。友達…だった人。今はここまでしか言えない」


あまり踏み込んではダメな部分だったか。素直に「ごめん」と謝っておく。


「いいって。あなたが謝る必要なんてないよ。心配してくれてありがとう」


白玉を抱えてない方の手を左右に振って笑顔を作ってきた。無理な笑顔…以外と強いんだな。
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