デスゲーム
浴室も綺麗だな。着替えは……これか。タオルもある。

シャワーを浴びると、今まで俺を苦しめてきた湿気感が消滅していく。

………


「桜井ありがと、すっきりしたわ」


リビングに行くと桜井はソファーに座って段ボールを膝に置き、白玉を撫でていた。


「あ、復活したようね。服緩くない?」

「まあ多少は。…今さらだけど、遅刻してすまん。言い忘れてたから言っとく」

「フフッ、最初から期待なんてしてなかったから大丈夫よ。あなたに遅刻はつきものでしょ?」


そうなんですか。前提されてるんだ。白玉を撫でる仕草につい見とれる。苦笑しながら桜井の隣に座る。


「そこまでひどいか?俺の遅刻は」

「だってねえ…高校に入ってから会議に遅刻しなかったことってある?」


座り直して俺の方に距離を縮めてきた。なぜだろう。顔が赤くなっていくがあえて口にしない。


「あるよ?全校集会とか呼び出しとか」

「それ絶対に行かないといけないやつじゃん。それ以外だよ」
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