デスゲーム
後片付けを済ませ外出の用意をする。


「さあ行こ。白玉こっちきて」


桜井はしゃがみ、両手を広げおいでの仕草を見せた。白玉は即座に段ボールを飛び出し懐へと潜り込んだ。


「慣れたもんだな。動物に好かれる才能あるって。このまま飼うっていう選択肢はどうだ?」

「それはないかなあ。お父さんにバレたら大変だもん。あなただってコツさえ掴めばいいコンビになるわよ」

「フシャー」


たった今命の恩人を威嚇している白玉と俺がなあ。ない。近い将来はない話だな。


「少し歩いた所にホームセンターがあるからそこに行こ」


鍵を閉めて出発する。白玉はもう眠くなったのか、桜井の腕の中でウトウトしている。風が気持ちいい。


「あの、桜井ってさあ…」

「待った。呼び方なんだけど……その……沙弥って呼んでも………いいよ?」


俺の言葉に強引に割り込んだ。モジモジして顔が少し赤い。
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