デスゲーム
いきなり何だろう。ん、桜井をよく見ると目が泳いでいた。スイッチが入ったっぽい。


「え?ああうん。じゃあ俺も隼人でいいから。それでお互い遠慮なく呼べるだろ。不平等は嫌いだから」

「ほ、本当に!?いいの?」

「お前から言い出したんだろ、沙弥」


名前を言った瞬間真っ赤になり顔を背けた。奥手って盗み聞きしたけど、こうなるからだろうな。恥ずかしいのか?


「う…嬉しい……そんな関係……き、築いた事…ないから」

「沙弥、沙弥…」


笑いながら連呼する。これ以上言うとどうなるか見てみたい。探求心をくすぐられる。

すると俺の口をふさいできた。


「やめてよ、もう。意地悪……なんだから。でも…本当に嬉しいよ、隼人。エヘヘ」

「それの専門家みたいなもんだから。でも今の沙弥はかわいいよ」

「えっ!あああ、ありがと。て…照れるよ。そんなにジロジロ…見られると」


もう限界らしいな。この上ないってくらいに真っ赤だ。少しやりすぎたかな。


「面白いなあ、沙弥は。いじくればどんどん繊細な部分が見え隠れするから」
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