デスゲーム
「ちょっと、人の事いじらない」

「ハハ、悪い悪い」


端から見るとイチャイチャしてるカップルに見えるのかな。それが誤解でトラブルが発生しなければいいのだが。

…会話は絶えなく続き時間が早く流れ、気付けば店周辺まで来ていた。


「着いたよ。白玉、隼人の鞄でおとなしくしててね」

「え?俺の鞄にこいつがパーキングするの?」

「だって店内で動物はNGでしょ。そこで隼人の鞄が登場。

私のより大きめだし、荷物少ないし。お願い!白玉のためを思って」


白玉を抱いていない左手を縦にして頼んでくる。

正直Noとは言いづらい。頼まれると断りにくいんだよ俺。


「分かったよ。白玉、絶対に暴れるなよ?」

「ニャ」


渋々鞄を広げ白玉を入れる。チャックは少し開けといてやるか。酸素不足になってもいかんし。


「わあ~、ピッタリじゃん。かわいいね」

「早く行こうぜ。窮屈そうだから」


周囲に気を配り、バレずに店へ入った。
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