デスゲーム
「それとあなたを選んだのは私にとって...ううん、何でもない」

「ふーん。あとさ、福家の事だけど……沙弥に何か接点あった?…図書室で聞いてきた真相を話して欲しい」

「えっ!?」


桜井は突然の話題に答えたくないかのように、表情を曇らせた。

白玉をギュッと抱き締め、地面へと視線を落とす。凄く驚いたらしく、歩きながらだが体が小刻みに震え始めた。


「だ、大丈夫か?すまん。無理しなくていい。ちょっと気になっただけだから」

「うん、大丈夫。…でもその件は秘密にして心の中、奥深くにしまって。

それと私にはもうそのこと聞かないで。お願い、約束…して」


曇りがない、澄んだ瞳で見つめてくる。今は落ち着かせることが先か。

やばいな。わりと禁句ワードだったか。これじゃ今の関係が切れそうだ。


「分かった。約束する。俺にできることなら何でも相談していいからな」


荷物を全て片手に持替え、空いた手で沙弥の右手…白玉を撫でている手を握り締める。
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