デスゲーム
「ひゃ…。あ、ありがとう。……じゃあね、今はこの手離さないで。離したく…ない。ずっと…繋いでいたい」


右手を返し、俺の手を握り返してきた。俺にしては大胆な事したけど正解だったようだ。少し落ち着いてきた。


「このくらい何回でもしてやるよ。…手、温かいな」


沙弥は涙ぐんだ目をしているが、あえて指摘しない。何故泣いているかは分からない。

でも心配すると強がるだろうから。今はこうしていよう。


「ありがと。やっぱり優しいよ、隼人は。私にないもの持ってるよ」

「やる気ダウンのスキルとかそういうものか?」

「何それ?そんなのじゃなくて、もっと良いものだよ。自分でよく考えてごらん。そのうち分かるから」


…考えても分からねえよ。けど、沙弥に笑顔が戻って良かった。


「そのうちがいつになるやら。…それよりまだ時間あるし、そこら辺散歩でもするか?」

「いいよ。まだ遊び足りないしもっと話したい」

「...川原でも行くか?俺が白玉を救出した場所」
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