デスゲーム
「うん、いいよ」


強引に荷物を鞄に敷き詰め、何とか手ぶら状態にする。

一度離した手を再び繋ぎ歩き始める。俺はなんだかんだ言いながら照れているが、沙弥も照れている。静寂の時間が流れる。


「……実は俺女の子と手繋ぐの慣れてなくて。きつかったりしたら言って」

「うん、私も経験浅いから何か言いたかったらどんどん言って」


そんな初心者同士のぎこちない会話が展開する。俺まで照れているから思うように話題が出てこない。

静かに歩くのも悪くない。しばらくして川原に到着する。


「ちょっと休憩。あそこに座ろう」


川原へとつながる芝生の斜面に腰掛ける。互いに川原を眺めるが、白玉は無関心のようだ。


「俺達まだ知り合ってから数日なのに仲良くなったよな」

「うん、そうだね」

「…それにしても白玉よく寝るよなあ。丸一日いくんじゃねえかな?」

「うん、そうだね」


変だな、同じ事しか言わない。沙弥を見ると川の流れの一点を見つめ、上の空になっていた。

俺の手を握り、白玉をお腹に乗せて。
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