デスゲーム
しかし目は空ろになっており、徐々に気力がなくなっていってる気がする。

ボーっとしていて、沙弥の中から何かが抜けたようだった。


「沙弥?」

「この川の流れのように、全て流れて消え去ったらいいのに………」

「沙弥!!」


思わず声を張り上げると、ハッと我に帰ってくれた。今の沙弥意識が飛んでた。普通はない。何かが異常が起こった証となる。


「隼人?どうしたの急に」

「それはこっちの台詞だ。さっきのお前何かやばかったぞ。大丈夫か?」

「え?……あ。ごめん思い出せない。私どうしてたの?」


覚えてないのか?あのありさまを。嫌な事を忘れ去ろうとしていたことを。


「何かボーっとして……会話に全然反応してくれなかった。本当に大丈夫か?」

「そうだったの。…大丈夫だよ。平気平気。きっと疲れてるんだよ。えへへ」


無理矢理笑顔で誤魔化してきた。懸命に強がっているのが見て分かる。日が暮れ始め、空が緋色に染まっていく。


「今日はもうお別れでいいかな?……本当はもっと一緒に…ううん、なんでもない。気にしないで」


首を何度も横に振る。先が気になる事を言って…これじゃ清々しく別れられないだろ。
< 82 / 638 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop