デスゲーム
外にはもうクリスマスツリーが飾られてる。まだ12月まで一週間もあるのに気の早いこと。

席に座り注文をとると、やがて料理が運ばれてきた。


「それにしてもオシャレな店だね~。料理もおいしいし」


どうやら満足してくれたようだ。川藤に礼を言わないとな。


「ねえ、ちょっと頂戴。一口でいいから」

「え、自分のあるじゃん?」

「ハンバーグも食べてみたいの。えへっ、いただき」


勝手にスプーンで切り分け、自分の皿へと持っていく。やっぱ積極的になったよな。

いつもより笑顔も増えたし。


「じゃ、俺も貰うかな」


オムライスを素早く軽快に切り分け、俺の皿へと移動させる。


「ちょっ、早いよ。まだ了承を得てないし。なにその巧妙な手口」

「昔こういうのしないと食えなくてな。思い出したくないけど」


文句を言いつつ笑顔になる沙弥に思わず微笑んでしまう。

どうしてだろう。沙弥と一緒にいると楽しくなってる。
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