私と愛しいカサブランカ
[スミカside]
-1年桃組教室-

みんなもう登校してるかなー。
あっチズエとケイコだ。
【スミカ】「おはよう!今日もばっちりお天気良い気分だね!」
【ケイコ】「スミカ、それどころじゃないわ」
【チズエ】「もうね一大事どころか激大事よ!」
あわわー、一体どうしたんだろう。
【スミカ】「2人がそんなに慌てるなんて今日テストでもあるの?」
【ケイコ】「テストだったらもう早退してるわよ」
そりゃそうね。
ここは黙って事情を聞いた方が早いか。
【チズエ】「あのね、落ち着いて聞いて。昨日タマミがエシューゴの過激派に捕まったのよ」
【スミカ】「なんですって!」

エシューゴ・・・「Anti Student United Government(反生徒自治会)」
数年前の大規模学生闘争終了後、闘争で敗れ地下に隠れた敗残生徒の残党を狩るために権力と武力を拡大していった生徒自治会は既に学校の為の自治という範疇を越え私利私欲のために逆らう生徒達を暴力で押さえつける恐怖政治を続けている。
それに対抗すべく生まれたのがエシューゴと呼ばれるレジスタンスである。

【スミカ】「でも生徒自治会に攫われるなら良くあることだけどエシューゴの人たちが一般の生徒を拉致するなんておかしいじゃない」
【ケイコ】「どうやらタマミのやつ、エシューゴの機密を見てしまったみたいなのよ」
【チズエ】「ほら、あの子、廃墟好きであっちこっち言ってたじゃない。そこでエシューゴの武器生産工場を見つけたってメールが昨日あって・・・あぶないからすぐに逃げなさいってメールしたんだけど・・・」

悔しそうに唇をかみ砕くチズエ。
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