LOVE★CAKE
「・・・っ、ひっく」
しばらくの間、私の泣き声だけが部屋に響いた。
それでも、一樹の手だけはぎゅっと握った。
私の気持ちが伝わって欲しくて。
すると一樹は私の手を離し、何も言わずに部屋を出ていった。
部屋が暗いから、一樹の表情もわからなかった。
「一樹・・・」
私が、悪かったの?
我慢しておけば良かったの?
涙が溢れて止まらない。
じんじんと痛む手首をさすりながら、ここに来なければ良かったと後悔した。