LOVE★CAKE
冗談だって、本気じゃないって分かってる。
でも、あまりにも真っ直ぐな瞳だったから。
「じゃあ、愛香ちゃんまた明日」
立花さんは、教室を出ていった。
ほのかな匂いを残して。
「愛香」
ビクッと体が反応する。
恐る恐る一樹を見た。
「ごめんな」
さっきとは裏腹に、優しい表情だった。
ちょっと安堵しながら、私は頭を横に振った。
「怖かっただろ?」
ゆっくり一樹が近づく。
私は思わず、後退してしまう。