LOVE★CAKE
ずっと不安だった。
トラブルになったことが今までなくて…無我夢中だった。
ドキドキしていて、失敗しないか怖かった。
すると……ふと柑橘の匂いがした。
「…立花さん?」
「前言撤回…見ないからこのままでいさせて」
抱きしめられた。
落ち着く香水の匂い。
私は何も言わず、立花さんの胸の中で泣いた。
「愛香ちゃんは凄いよ」
ゆっくり話し始める。
「俺の方が年上なのに…しっかりしてる。今回だってそうだ」
「そんなことないです…立花さんがいたから」
「いいや」
さっきよりぎゅっと力が入る。
立花さんがいたから、1人じゃなかったから…。
私の提案にすぐ立花さんが準備してくれたから、間に合ったのに。
立花さんは優しい。
「けどさ…」