LOVE★CAKE


ずっと不安だった。


トラブルになったことが今までなくて…無我夢中だった。


ドキドキしていて、失敗しないか怖かった。





すると……ふと柑橘の匂いがした。


「…立花さん?」

「前言撤回…見ないからこのままでいさせて」


抱きしめられた。


落ち着く香水の匂い。


私は何も言わず、立花さんの胸の中で泣いた。


「愛香ちゃんは凄いよ」


ゆっくり話し始める。


「俺の方が年上なのに…しっかりしてる。今回だってそうだ」


「そんなことないです…立花さんがいたから」


「いいや」


さっきよりぎゅっと力が入る。


立花さんがいたから、1人じゃなかったから…。


私の提案にすぐ立花さんが準備してくれたから、間に合ったのに。


立花さんは優しい。


「けどさ…」



< 63 / 78 >

この作品をシェア

pagetop