LOVE★CAKE


「桃原さん・・一樹の婚約者よね?」


「そうですけど」


秘書さんは足を組み、深く座り直した。


「別れて」


予想通りの言葉を投げ掛けられた。


「一樹を愛してるの。はっきり言って邪魔」


「なっ!私も一樹を愛してます。何で別れろなんて・・」


「一樹は・・貴方のこと愛してるのかしら?」


「へ?」


クスッと笑う秘書さん。


それは、鳥肌が立つくらい冷たい笑顔だった。


「一樹は・・私から離れられない。自分から別れを言う方が楽よ?」


「何言って・・」




怖い・・


嘘かもしれないのに、どうしてこんなにも不安になるの?


―――……“愛香、愛してる”



どうして一樹を信じられないの?



< 70 / 78 >

この作品をシェア

pagetop