LOVE★CAKE
「桃原さん・・一樹の婚約者よね?」
「そうですけど」
秘書さんは足を組み、深く座り直した。
「別れて」
予想通りの言葉を投げ掛けられた。
「一樹を愛してるの。はっきり言って邪魔」
「なっ!私も一樹を愛してます。何で別れろなんて・・」
「一樹は・・貴方のこと愛してるのかしら?」
「へ?」
クスッと笑う秘書さん。
それは、鳥肌が立つくらい冷たい笑顔だった。
「一樹は・・私から離れられない。自分から別れを言う方が楽よ?」
「何言って・・」
怖い・・
嘘かもしれないのに、どうしてこんなにも不安になるの?
―――……“愛香、愛してる”
どうして一樹を信じられないの?