タイムリミット(短)
教室をでて一歩那智から離れて歩く。
なんか隣歩いちゃダメな気がして。
後ろから見てるとやっぱりその手を握りたくなる。
その手をあたしに向けてほしくなる。
学校をでると夕日が綺麗だった。
あぁなんか良い雰囲気じゃない?
隣には好きな人。綺麗な夕日。
告白ってきっとこんくらい緊張するんだろうなぁ。
「未姫奈歩くの速い?」
「ううん全然!」
そう、と呟きながらあたしが同じ位置にくるのをさりげなく待つ那智。
そんなとこも大好きなんだよ。
手…、繋ぎたいなぁ。
でも…、あたしたちは
本当のカレカノじゃ…ない。
「あのー…未姫奈さん」
「………え?」
那智がそう言った瞬間あたしの右手に暖かい感触。