タイムリミット(短)







降りしきる雨の中。
2人が沈黙になると雨が傘をたたき付ける音だけが響く。



「未姫奈嫌だったでしょ」




ポソッと呟かれた那智の言葉。

斜め上には那智の顔。
見るとあまりに近すぎてすぐに目を逸らしたくなった。



「なにが?」



一瞬目があってパッと逸らされた。
那智の耳が少し赤い。






「俺と傘に入るの」






…え?
何度も那智の言葉が頭を駆け巡る。

『俺と傘に入るの』

ってどういう意味?
那智は相合い傘良かったってこと?
いや、そんな訳ないよね。




「なんで?」



< 18 / 47 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop