タイムリミット(短)
降りしきる雨の中。
2人が沈黙になると雨が傘をたたき付ける音だけが響く。
「未姫奈嫌だったでしょ」
ポソッと呟かれた那智の言葉。
斜め上には那智の顔。
見るとあまりに近すぎてすぐに目を逸らしたくなった。
「なにが?」
一瞬目があってパッと逸らされた。
那智の耳が少し赤い。
「俺と傘に入るの」
…え?
何度も那智の言葉が頭を駆け巡る。
『俺と傘に入るの』
ってどういう意味?
那智は相合い傘良かったってこと?
いや、そんな訳ないよね。
「なんで?」