タイムリミット(短)
しばらくたって非常階段のドアが開く音がした。
なんだかあたしは振り向くのもめんどくさくなってはやくその人がどこかへ行ってくれるのを待っていると……
「あれ?未姫奈何してんの?」
それは心のどこかで望んでいた人ではなく、隼人だった。
気を落とすあたしとホッとしているあたし。
「隼人こそ何しにきたの?」
「あー。見て分かるとおりサボり!」
なるほど、とこぼすと隼人は何気なしにあたしの隣に腰をおろした。
隼人だから全く緊張とかしないんだけど。
「あたしも」
「やっぱし」
それから隼人もなにも言わずに空を見ていた
こんな時間を隼人と過ごすなんて想像もしてなかったなぁ。
沈黙のはずなのに隣にいるのが隼人だと思うと空気が軽くなる気がする。