タイムリミット(短)
「未姫奈が平気なら良いんだけど!」
隼人って実は良い奴なのかもしれない。
でも、こうして隼人と話してても心の中は那智が埋めつくしていく。
「がんばれ」
隼人があたしの頭を雑に撫でて絢架達のもとへ戻っていった。
きっと彼らなりのフォローなんだと思う。
こうしてあたしを1人にさせてくれることも
「未姫奈帰ろ」
那智が放課後みんなが帰った頃にあたしのもとへやってきた。
きっとこれが最後。
「さっきは…ごめん。」
歩きはじめてすぐ那智は沈黙をやぶった。
まだあたしも那智の顔を見れない。
心のどこかで「言わなくちゃ」とは思っているのにいざ言葉にするとなると勇気がなくなるんだ。
「いや…あたしこそ」
また重い空気。