タイムリミット(短)
「…………那智」
那智が顔をあげるとあたしと目があった。
するといきなり目を見開いた。
「未姫奈!なんで泣いてんの!?」
鈍感なのはあたしじゃなくて那智の方なのかもしれない。
あたしの頬を伝う涙は止まることを知らないらしい。
親指であたしの涙を拭う那智はすごい心配そうな顔をしてくれてる。
「……手紙」
あたしがつぶやくと那智の肩がビクッと揺れたのが分かった。
「読んだ…?」
「読んだ…。」
あたしの返事を聞いた瞬間那智はハァーと大きなため息をついた。
そしてまたあたしの目をとらえるとゆっくり話し出した。
「一目惚れだった」