タイムリミット(短)





「だからさぁ未姫奈」



「うん?」



やっと涙がとまった。
でも完全にあたしの目は真っ赤だろうな。



「俺と無期限で付き合って」




恥ずかしいだろうにあたしから目をそらさない那智を今まで以上に愛おしいと思った。




「いいよ」




え、と那智の口からもれる。
告白したくせに。



「無期限だよ!?バツゲームとかじゃなく本気でだよ!?」




そんな慌てる那智がおかしい。




「あたしも那智を好きだってば」




一瞬目を見開いた那智は



「よっしゃー―――――!!!」



と言ってすぐあたしを抱きしめた。

こんな積極的な那智に戸惑うあたしをよそに那智の嬉しそうな声。



「マジかぁ」



あたしまでつられて嬉しくなる。



こうやってあなたが嬉しいとき


あたしも嬉しくなったり


あなたが悲しいとき


あたしも悲しくなる。


それが本当の恋愛だよね。


あたしたちにタイムリミットはない。





END



→あとがき


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