春待 〜fall〜
「ありがとう。


あたしは、ずっとあんたに支えられてきた。

男に愛される気持ちを初めて教えてくれたのも、
自分が愛される人間であることを教えてくれたのも、
あんただよ。


本当は、別にセックスしてもいい。
でもね、行為じゃなくて、あの人だけに、その時のあたしを知ってるたったひとりでいてほしい。

だから、あんたには見せられない。

あたしをあげることはできないけど、



初めて、いっこあげる。


…温人、」

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