春待 〜fall〜
彼女は、愛情を押しつけない。
本人は、愛情表現はただの自己満足だと言っている。

相手のために。

そうやって与えるものは、結局は見返りを期待しているのだと。
それはとても滑稽で、時に悲しみにつながるかもしれない。
だからいつだって、自分のために愛していたい。


「喜んで欲しいんじゃなくて、
喜ぶ顔が見れるかどうか。


相手に期待するんじゃなくて、自分に期待してたいの。」

「向こうに期待されるようになったらどうするの?」

「…重荷になるかもね」

「いいの?」

「わかんない。

わかんないから、


期待、してみてほしい」

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