ブラッディ・ロマンス。【短編】
人の血を吸う化け物?
『吸血鬼』
その言葉が、頭の中をぐるぐると回ってる。
…まさか。
そんな。
そんなこと、あるわけない。
そう思いながらも、ようやく解放された唇からこぼれたのは、問いかけの言葉。
「あ、あたしの、血を…吸った?」
神藤くんは何も言わずに、うなずいた。
あたしは力が抜けて、その場に座り込む。
席から離れて、あたしの横に膝をついた神藤くんは身をかがめた。
首筋を撫でられる。
怖さとは違った意味で、ゾクッとくる。