ブラッディ・ロマンス。【短編】

人の血を吸う化け物?



『吸血鬼』


その言葉が、頭の中をぐるぐると回ってる。



…まさか。


そんな。


そんなこと、あるわけない。



そう思いながらも、ようやく解放された唇からこぼれたのは、問いかけの言葉。


「あ、あたしの、血を…吸った?」


神藤くんは何も言わずに、うなずいた。



あたしは力が抜けて、その場に座り込む。


席から離れて、あたしの横に膝をついた神藤くんは身をかがめた。



首筋を撫でられる。


怖さとは違った意味で、ゾクッとくる。

< 10 / 114 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop