ブラッディ・ロマンス。【短編】
動物が縄張りを示すためにかけるおしっこ。
そういったマーキングをヒナは想像してるのかもしれない。
もちろん、オレの場合はそんな方法ではなく、血を吸った後のキスでヒナに混ぜる唾液。
二か月も吸っていなくても、その効力はまだまだ有効だ。
「そのマーキングがヒナとオレを繋ぐから、ヒナにもオレの居場所が感じられるんだ」
「居場所を…感じる?」
ヒナは理解いきれないのか、必死に考えてるようだった。
「…つまり、あたしが変な胸騒ぎを感じて神藤くんをさがしたのは、偶然じゃないってこと?」
「まぁ、そういうこと」
オレは返事をして、ヒナのほうへ行こうかと思ったけど、
限界だった。
ヒナが近すぎる。