ブラッディ・ロマンス。【短編】
ヒナが怖がるとか、そんなことを考えてる余裕はなかった。
ヒナに触れられると、自分を抑えられなくなる。
ヒナを失うかもしれないと思うと、
オレは怖くて仕方なかった。
オレは叫ぶと、顔をおさえて、苦しみに耐えた。
「…ど…して」
消えそうな声が届き、
彼女を見ると、ヒナは泣いていた。
彼女を傷つけた。
それに気づいたけど、どうしようもない。
今は彼女から離れなければいけない。
だけど、ヒナは従わなかった。