ブラッディ・ロマンス。【短編】
「ごめん、痛かった?」
「い、痛みはもうないけど、神藤くんってなんなの?」
あたしは彼の手をはねのけるように、首筋を自分の手で覆った。
一瞬、神藤くんの瞳に悲しそうな色が浮かび、
胸がズキンと痛んだ。
「あ、ごめ…」
思わず、謝ろうとしたけど、
神藤くんはそれに気づかなかったのか、困ったような顔で笑って言った。
「うーんと、吸血鬼」
「きゅう…けつき」
「ああ。血を食べて生きてる」
その言葉に、あたしは目を見開いた。
吸血鬼ということは、あたしも考えていた。
でも、それがどういうことなのか、わかってなかったんだ。
神藤くんは、血を食べて、生きてる…?