ブラッディ・ロマンス。【短編】
どれほど経ったのか。
ようやく首筋から離れ、
今度は視線をあげた先にあった唇を見た。
唇も、欲しい。
マーキングとか、そんなの関係なく、純粋にキスをしたい。
オレは今頃になってようやく、自分の気持ちに気づいた。
キス、したい。
でも、その前にと、オレはポケットに入れていた鉄の錠剤を取った。
吸いすぎた分だけ、これで補わなければ。
オレは舌に錠剤を乗せて、ヒナにキスをした。
「ヒナ、ヒナ、好きだ。オレのそばにいて」
思いが溢れる。