ブラッディ・ロマンス。【短編】
吸血鬼のオレが人を好きになるわけにはいかない、と自分をごまかしてきた。
ヒナを餌にしてるオレに、好きになる資格はないと。
でも、もう無理だ。
ヒナが欲しい。
その血だけではなく、
すべてが欲しい。
いったい、いつから好きになっていたのかもよくわからないけど、
そんなことはどうでもいい。
オレはヒナが好きなんだ。
オレは何度も何度も口づけた。
どんなにキスをしても、満足できない。
ヒナの答えが知りたい。
そう思ったとき、ヒナは泣きながらつぶやいた。
「Trick or Treat」