ブラッディ・ロマンス。【短編】
「と言っても、オレも初めて人から血を吸ったから、ちょっとびっくりしてる」
「は、初めて?」
「見境なく吸ったら、人を殺しちゃうからね」
神藤の言葉で、あたしは鳥肌が立った。
殺して…?
すると、神藤くんは「大丈夫だよ」と口もとだけで笑みを作った。
「吸血は理性をコントロールできるようになってからなんだ。
それまでは、親の調達してきた輸血用の血を飲んでる」
「ちょ、調達…」
どうやって?
聞きたい気もするけど、怖くて聞けない。
唇が引きつる。
いつの間にか、ガタガタと全身が震えていた。