ブラッディ・ロマンス。【短編】

あたしは安心すると、

改めて、神藤くんを見た。



心配そうに眉を寄せて、真剣な瞳であたしを見つめる顔。


そんなふうに見られていると、

それだけでドキドキして、好きだと錯覚しそうになる。



成績。

運動神経。

容姿。


どれをとっても人より抜きんでていて、

一年生なのに、上級生が神藤くんを見に来るほどの存在感。



『スターの素質』とでもいうのかな。


ただカッコいいだけではなく、

人目を引きつける何かがあると思っていた。



その何かが、

まさか、

人ではなく吸血鬼ということだったなんて…。


< 18 / 114 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop