ブラッディ・ロマンス。【短編】
「大丈夫?」
神藤くんがあたしの顔を覗きこんでくる。
「…大丈、夫じゃ…ない」
一言しゃべるだけでも、しんどい。
こんなこと初めてだった。
あたし、まさか死なないよね?
シャレにならない考えが脳裏をよぎる。
「ごめん」
その言葉で、彼の瞳を吸い込まれるように見た。
「でも、一度、新鮮な血の味を覚えたら我慢できないんだ。
雛野が元気になったら、また血をもらうと思うから」
神藤くんの投下した爆弾はあたしを直撃した。