ブラッディ・ロマンス。【短編】
初めて血を吸われてから、一か月は何事もなく平穏に過ぎたけど、
その後は本当に神藤くんが血を吸うようになった。
「…ヒナ、大丈夫か?」
神藤くんがささやく。
あたしはその言葉にうなずきながら、彼にもたれかかった。
甘い声に酔う。
決して、嫌ではなかった。
神藤くんが血を吸う唯一の存在。
それが、あたし。
ヒナと愛称で呼ばれて、彼の特別と言われてるようだった。
神藤くんは血を吸うためにななめにズラしたTシャツを戻してくれ、あたしを立たせる。
「次は始業式だな。また、放課後の教室で」