ブラッディ・ロマンス。【短編】
二重の大きな瞳に長いまつ毛。
ぷっくらと赤く色づいた唇。
腰まで伸ばした髪の毛はくるくるしていて、お人形さんみたいに可愛い。
そんな彼女をふる男がいるなんて思えないし、
友達も多くてイジメに合うようなタイプでもない。
そんな彼女がどうして…?
疑問は声になっていた。
「どうしたの?」
そばに寄って覗きこむと、真っ赤に腫れた目であたしを見上げる彼女。
何か言おうとして、そのまま泣き崩れてしまう。
「この子、朝一で神藤くんに告白して、振られちゃったのよ」
代わりに答えたのは、柏木さんの背中をさすっていた里枝だった。